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もともと本を読むのは好きです。
でも読んだ感想を公開するのは正直言って大嫌いです。
頭の中を覗かれているような、大事な気持ちに土足で入られるような、
そんな経験をしてきたから。
でも、対価をいただかない書評というのは、
とどのつまり自分はどうとったんだよ、というのを発信することなわけで。
なんだか信条とは相反するもののような気がしてならないのです。
で。最初に書くんだったら、
自分が重たい腰を上げて、大学院に行くか。と決めるきっかけをくれた、
この本にしようと思いました。
範乃秋晴「おばけの遊園地始めました」(MW文庫)
範乃先生には「マリシャスクレーム」で初めてお会いした(リアルではありません)のですが、その時から大好きです。そのお話はまたどこかで。
「明日をよくするために生きてきた君が、今我慢しているのはどうしてだい?」
「よくなった明日が来ても、君はまた新しい我慢を始めるだろう。
明日をよくするために我慢を続けても、その明日は永久に訪れはしない」
「楽しいことをしなさい。楽しいと思えることだけを。
今この時間を思いきり楽しみなさい」
遊園地のスタッフとして働く主人公に、とあるキャラクターが言ったこのセリフ。
8年いた部署から異動して1年。
早くこの部署のお作法に慣れよう、と思ってもどうにも違和感がぬぐえなくて。
一つのとげを飲み込むたびに、次のとげはもっと大きくなってきて。
どうしたらいいんだろう、と思いつつも、引っ張ってくれた人がいたから頑張れていたのですが、その人も会社を辞めてしまって。
武器も防具もたくさん持っている。でも、心がノーガード。
そんな状態で、それがバレたらちょっと付け込まれるよね、どうすっかな。
とか、もう仕事を楽しむとかそんなことを考えられなくなりかけていた時に
出会ったのがこのセリフでした。
くっそしんどい思いをしても、あとから思うと超楽しかった。
それは、「いいものを作りたい」という思いと、その時できることを精一杯やれたから。
精一杯今、やれてるのかしら。
思うようにコトが進まないのを、自分のこの分野での基礎知識がないのをいいことにして、全部誰かにおっかぶせてないか?
ていうかそもそも、ガタガタ言ってくるのを黙らせられるくらい、
きちんと理論武装できればいいじゃん!
というお目でたい思考回路をつないだ本とでも言いましょうか(笑)
そんなこんなで。
『黒バス』の木吉のセリフとも被るんですけど。
「楽しんでこーぜ!」というのが、私の根本に流れているものなんだな、というのを、
再認識させたうえで、「学校説明会へ行く」をぽちっとさせてくれた本でした。
よかったら、読んでみてくださいな。
って、別にMW文庫の回し者とかじゃないですけどねw
範乃秋晴「おばけの遊園地始めました」(MW文庫)